学資プランのトレンドについて

学資プランのトレンドについて

前回、学資保険についての記事を書きました。

学資保険をご検討の皆さまへ

今回は、学資保険ではなくその他の方法で多い提案をお伝えしたいと思います。こちらに関しても、手段の一つでありメリットやデメリットが存在することと、そもそも全体の収支バランスや将来の予測を考えながら検討されることが重要であることを念頭に置いてご覧ください。

学資=教育資金の準備

改めてですが、教育資金の準備をする際に重要視する点はどこでしょうか?
確実性・流動性・投資効果など、さまざまな言葉で表現できるかもしれません。ここではあくまで生命保険で考えた際に可能である方法をご紹介したいと思います。

外貨建て保険での準備

まず挙げられるのが、外貨建て保険で行う教育資金の準備です。海外の通貨で保険に加入するといったら難しく思われるかもしれませんが、保険の内容は日本円建ての保険と何ら変わることはありません。現在、広く販売されている外貨建て保険は「米ドル建て」と言ってアメリカの通貨を使用したものが一般的です。皆様も一度は聞かれたことがあるのではないでしょうか。
外貨建て保険を選ぶことの主要なメリットとデメリットは以下となります。

メリット① 予定利率が高く返戻率が良い

生命保険での運用は基本的に通貨国ごとの債券(国債)で運用されています。日本の国債金利より米国の国債金利の方が高いため、その分が返戻率の差となっています。
具体的には設計書を見比べて頂くと良いですが、保険会社が定める予定利率として円建ての場合は年利1%未満に対し米ドル建ての場合約3%と約3倍の差があります。

メリット② 保険を安く買える

これに関してはメリット①の予定利率の高さが影響しています。同じ保険金額で比較した場合に、円建て保険よりも米ドル建て保険の方が保険料が安くなります。

デメリット① 為替リスクがある

米ドル建てではありますが、基本的に保険料の支払いに関しては日本円で支払います。日本円で支払った保険料を米ドルに変換して積み立てていくことになる為、支払い時に為替レートが関係します。
例えば、保険料が毎月100ドルであった場合に1ドル100円の場合は10,000円、1ドル120円の場合には12,000円という具合です。もちろん為替のレートによりマイナスではなくプラスに作用することもありますので一概には言えませんが、総じて「為替リスク」と言われています。

学資プランとして外貨建て保険を選ぶうえでの注意点

外貨建ての返戻率の高さは円建てと比較すると魅力的です。ただし、注意する点としては以下の2点です。

為替の変動による保険料の増加分を加味しておく

保険料が安くなる分には問題ないかと思いますが、保険料が上がる際に予算オーバーにならないか注意が必要です。

必要な際に為替相場が不利に影響する可能性

教育資金は基本的に使う時期が想定できると思います。いざ学費の支払いを迎えた際に、為替の影響で必要な資金に達していない可能性も考えておきましょう。その他の資産や将来的な収支バランスも含めて、外貨建てを選ぶ際には、タイミングを待つことができるかも重要なポイントです。

外貨建て保険で教育資金を準備する上でのポイント

外貨建て保険を加入する際に抑えておきたいポイントをお伝えします。

短期払いにすること

教育資金の準備の場合には短期払いが肝になります。短期払いをすることによって、返戻率の立ち上がりが早くなり、教育資金として使うであろう時期には100%以上の返戻率に達すからです。ここに関しては、返戻率表などを確認し、いつ使いたいお金なのかなどを考えながら見る必要があります。

前納を視野に入れておく

前述したように、外貨建て保険には為替リスクがあります。これは不利にも有利にも働く可能性があります。もちろん未来を予見することは不可能ですが、未来の分の保険料を先払いできる方法が「前納」と呼ばれるものです。
前納をすることで、支払ったタイミングでの為替レートが適用されるので、円高だなと思ったタイミングで前納を行うことで為替を味方にすることもできます。保険会社によっては前納ができない場合や取り扱い方法が異なりますので確認が必要です。

クレジットカード払い

最近では主流となっていますが、保険料をクレジットカードで支払える保険会社もあります。保険会社ごとに上限額は設定されていますが、ポイントがつくことを考えると少しお得かもしれません。

最新情報:米ドル建ての予定利率も下がる!?

これまで、円建て保険との違いとして予定利率の差分で米ドル建て保険の方が優位性があるのは事実です。しかし現在、米国債の金利も低下傾向にあり、その影響を受けて一時払いの米ドル建て保険はすでに販売停止となっています。今後、情報では8月頃から各社、米ドル建て保険の予定利率を引き下げる方針を発表し始めています。となると、かつてのような優位性は少し薄れてしまうことになりそうです。

まとめ

今回は生命保険という手段で教育資金を準備する上での記事でした。円建てで行う学資保険のパフォーマンスが下がってきた辺りから、よく提案されるようになった外貨建て保険。流行りに流されて勢いで加入するのは危険ですが、トレンドを知っておくことは大切ではないでしょうか。
外貨建て保険は為替リスクを理解すれば、有効な手段の一つとなり得ます。
実際には将来の見通しやリスク、その他の金融商品や資産状況なども含めて検討してみてください。

詳しくはお気軽にご相談ください。

その他の手法についても今後、お伝えしてまいります。