最新がん検査キットの「N-NOSE」って何?

最新がん検査キットの「N-NOSE」って何?

今回は保険の周辺知識のお話です。

皆さん、「N-NOSE(エヌノーズ)」ってお聞きになられたことはありますか?

これは最新のがん検査キットとして注目を集めているものです。

私自身も実施してみましたので、その特徴などについて解説していきたいと思います。

「N-NOSE」ってどんな検査キットなの?

そもそも、「N-NOSE」というのはがんに対する一次スクリーニングをするための検査キットです。

「一次スクリーニング」というのは体の中にがんがあるかどうかのチェックをするもので、がんを特定するための重要な第一ステップになります。

我々のように保険の仕事をしていると、お客様から「がんかもしれない」という相談を受けることがあります。

その時に一番心配になるのがお客様のがんの進行状態。

ステージが1なのか4なのかでも生存率などが変わってきます。

もちろん、発見が早期であればあるほど生存率は高くなります。

がんの一次スクリーニングは早期発見に役立つもので、その最新検査キットとして2020年から国内で実用化を開始したのが「N-NOSE」になります。

どうしてがん検診率が低いのか?

日本のがん死亡率は他の先進国に比べ、年々増加傾向にあります。

下図が1965年から2019年までの部位別がん死亡率の推移になります。

引用:公益財団法人がん研究振興財団

この原因は「がん検診率」の低さにあります。

全国がんセンター協議会のデータによると、ステージ4で発見された場合の5年相対生存率は20.2%。

それに対して、ステージ1で発見された場合は97.6%まで上昇します。

引用:N-NOSEホームページ

いかに早期で見つけることが重要なのかが理解出来ますね。

しかし、がんの検診率は約40%と言われており、非常に低い数字となっております。

では、なぜ検診が普及しないのでしょうか?

理由は大きく3つ

  • 面倒
  • 費用が高い
  • 精度が低い

この問題点を解消してくれるのが「N-NOSE」なんです。

「N-NOSE」の仕組み・特徴は?

「N-NOSE」は線虫(せんちゅう)という小さな生物が持つ嗅覚を利用してがんの有無を選定する方法。

簡単に言うと「がん患者の尿には集まり、健康な方の尿からは逃げる」という線虫の性質を利用する検査です。

これだけ聞くと「本当にそれでがんが分かるの?」と思う方がいるかもしれません。

しかし、自分の尿を使ってがんのリスクを判定出来る画期的な手法として注目が集まっているんです。

その特徴は大きく分けて6つ

  • 簡単
  • 苦痛がない
  • 高精度
  • 早期発見が可能
  • 全身網羅的
  • 安価

■簡単

健康診断などで行っている尿検査と同じように、自身の尿を利用する検査なので誰でも簡単に行うことが可能。

■苦痛がない

例えば、胃がんの検診をする際に胃カメラを利用する場合があります。

それが苦手な人も多いと思いますが、「N-NOSE」は尿1滴で検査をするので身体的な苦痛を伴うことはありません。

■高精度

「線虫の動きで的確に判断出来るのか不安」と思う方がいるかもしれません。

しかし、その感度は85%と他の検診方法に比べ、高い数値を誇っております。

■早期発見が可能

これまで難しかったステージ0、ステージ1の早期がんも検知出来ます。

■全身網羅的

1回の検査で全身のがんリスクを網羅的に調べることが出来ます。

そのがんの数は15種類まであり、下記が該当します。

胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭

■安価

購入価格は12,500円(税込)~で「N-NOSE」のホームページからアクセスして検査を受けることが出来ます。

一般的ながん検診だと、1種類の検診で数千円取られてしまうことも。

15種類を網羅してこの金額であればそれほど高い金額ではないでしょう。

まとめ:がんへの対応は「保険」と「検診」のセットで考えましょう

いかがでしょうか?

今回は最新のがん検査キット「N-NOSE」について解説しました。

ここまではメリットをお話しましたが、もちろん課題もあります。

当然ですが、もしこの検査キットで「がんリスクが高い」という判定になった場合、「がん保険に入っておきたい」と考えると思います。

基本的にがん保険に加入する際には「告知義務」があります。

しかし、今のところ「N-NOSE」での判定が告知義務に該当するかは明確になっておりません。

今後の保険業界の動向に注目する必要がありそうです。

また、15種類のいずれかのがんである可能性は分かりますが、どの部位であるかは現状だと特定することは出来ません。

そのため、「N-NOSE」でリスクが高い判定になった場合はより精度の高い精密検査を行う必要があるのでご注意ください。

しかし、上記の課題を踏まえても、私は「N-NOSE」を定期的に受けていこうと思っております。

よく「私はがん家系だから保険はしっかり入っているんです」という方が多くいらっしゃいます。

しかし、それだけでは不十分です。

「がんの早期発見」で経済的・体力的な負担を軽減するには検診は不可欠になります。

ぜひご興味があれば、一度試してみてはいかがでしょうか?

YouTube動画でも解説しておりますので、ぜひあわせてご視聴ください。