生命保険の契約変更テクニック3「失効」について

「失効」について

日頃より保険マエストロのブログをご覧いただきありがとうございます!
今回は、前回に引き続き、生命保険の契約変更テクニック3「失効」について書きたいと思います。

なお、この記事はYouTube動画と連動しております。
ページ下部にリンクを貼っておきますのであわせてご視聴ください。

失効とは

失効とは「保険の効力が失われること」をいいます。

保険契約が失効してしまうと、万が一お亡くなりになった場合や病気やケガをして入院・手術をした場合に保険金給付金を受け取ることはできません。

受け取れるはずだった保険金・給付金が受け取れないとなると困ります。

ですから、保険の本来の機能を享受するためにも、失効には注意をしてください。

なぜ失効するのか

みなさんの保険契約が、なぜ失効するのかというと、保険料の未納が原因となります。

契約上、支払わないといけない保険料が一定の期間滞ってしまうと失効となります。

保険会社によってルールは異なる場合がありますので、詳しくはご加入の保険窓口にご確認してみてください。

簡単な失効の流れは以下のようなものです。

例えば、2月25日に保険料の口座振替日となっていたが、たまたま口座にお金が入っていなくて振替ができなかったということはよくあります。

そうすると3月に、2月の保険料を支払ってくださいという旨の案内(主にハガキと担当者からの電話)が保険会社から入ります。その際には2か月分の保険料が併徴されるかたちとなります。※月払いの場合

その案内も仕事が忙しく、見逃してしまい3月分の保険料も振替できなかった。

このような場合には、翌4月1日から保険契約が失効することになります。

この例のようにおおよそ2か月の猶予を過ぎると3か月目に失効することが一般的です。

失効してしまった時の対処法

仮に、意図せず保険契約が失効してしまった場合には、せっかく加入しても保険が使えない状態なので困ってしまいます。

そのような時には、「復活」という手続きにより元の契約に戻すことができます。

この「復活」には色々な条件がありますので注意してください。

例えば
保険契約が失効した日を含めて3ヶ月以内もしくは1年および3年のあいだに保険会社に申請をして保険会社から承諾を得た場合に復活が可能となります。実際には保険の種類によって異なります。

その後、未払込期間の保険料を納め、再度健康状態の告知審査において問題がなければ契約の復活が可能となります。

ただ、保険会社や商品によっては失効ではなく解除となってしまうものや状況もありますので注意が必要です。

まずは失効にならないようにお気をつけください。

失効後そのまま置いておくとどうなるのか

個人の場合だと、失効した場合には、そのまま解約となるケースが多いように思います。

法人の場合には、そのまま放置して解除になる前に一度考えていただくことがあります。

例えば、解約返戻金がある契約をお持ちの場合
失効した後の解約返戻金については上がりも下りもせず、そのままの状態をキープします。

そして解約した際に、その解約返戻金が法人の口座に戻されることとなります。

利益の繰り延べを意識してご加入した法人契約の場合

仮に、利益を繰り延べしてきた保険契約があり、これを解約して保険会社から解約返戻金を受け取ると益金になります。

益金になるのであれば、あえて失効後すぐに解約するのではなく、設備投資や人材採用・教育などで多額の現金を使う予定があるなどの用途にうまく充当することで、出口の効果として意味のあるものとなります。

失効の使い方

もうひとつの使い方として、失効期間を合理的に活用するという方法です。

あくまで保障としてお持ちいただくことが前提とはなりますので以下は方法の一つとしてご認識ください。

資産形成の性質を持った生命保険の中には、解約返戻金が時間の経過に応じて増加し、一定の時期で解約返戻金がピークに達することとなります。そして一度ピークを迎えた後に、徐々に減少していくという保険が一般的であり大多数を占めています。

解約返戻金のピークが一定年数持続するという性質の商品もありますが、大多数はピーク後に徐々に減少していきます。これは保険の種類で言うと定期保険の特徴となります。

このピークのタイミングで一般的には保険契約を解約して返戻金を受け取るというのが加入時の説明ではほぼ100%に近い説明かと思います。

ここで、「解約返戻金を受け取った後に何の費用に充てるか?」がポイントになってきます。

先ほども述べたように、単純に解約返戻金を受け取っただけであれば益金扱いとなりますので、状況に応じては受け取りたくないという場合も想定されます。

そこで、資金需要がない場合には失効することによって解約返戻金をピークの状態で一定期間維持することができることを利用して、期を待つことが可能になるのです。

例えば、翌年に解約返戻金のピークを迎える場合、その解約返戻金の使い道がない場合には、失効の選択肢をとることで、様子を見ることが可能になります。

ここで注意点ですが、失効状態がいつまで続けられるかは保険会社によっても異なります(規定によります)。一般的には2~3年といった期間の取り決めがあったり、そもそも保険会社によって失効できるかできないかも変わってきますので確認が必要です。

出口戦略として加入時に想定をしておくことが重要となります。

ご加入の時点で、「失効の取り扱いの可否」や「失効期間」の確認をしておくことをオススメします。

まとめ

今回は、生命保険の契約変更から「失効」についてお伝えしました。実際に、「失効」という仕組みを知っておくと、いざと言うときに担当者へ聞いてみることもできるかと思います。

ぜひ頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。

保険は加入して終わりではなく、常に変化する状況の中で保険契約も変化に対応していかなければなりません。

ベストな選択を行い、無駄のない保険をお持ちいただくことを願っています。

YouTube動画でも解説しておりますので、ぜひあわせてご視聴ください。

参考になった際には、いいね・コメント・チャンネル登録もいただけると嬉しいです。

宜しくお願い申し上げます!