失敗しないための契約変更

失敗しないための契約変更

今回は各保険会社の特徴や商品を比較する中で契約変更のちょっとした差について書かせていただきます。

ぜひ、ご一読いただき少しでも参考になりましたら保険マエストロFacebookページへ「いいね」をお願いいたします。

払済保険

皆さんの加入されている生命保険の保険料はいくらでしょうか?またいつまでお支払いが続きますか?

基本的に、生命保険には保険期間と保険料払込期間があり、契約時にご自身で決めて加入されていらっしゃるはずです。

しかしながら、保険料の支払いが日々のキャシュフローを圧迫しては本末転倒です。

そのような場合の措置として払済という契約変更があります。

「払いすぎなら払いずみ」と覚えてください。

払済保険に変更するとどうなるのか?

・保険料の支払いがなくなる

・保険金額が減るが保険契約は継続する

・解約返戻金は引き続き運用される

契約中の保険を解約するのではなく、保険契約をそのまま中断することを払済保険への変更といいます。払済保険へ変更すると以降の保険料は発生しません。しかし、それまでにお支払いただいた保険料をもとに新たな保険金額(払済保険金)が設定されますので一般的に保険金額は当初の保険金より少なくなります。

設計書や保険証券を見返していただきますと「払済保険金額」として各年度に応じた払済した際の保険金額が記載されていると思います。(記載されていないものもあります)

払済保険へ変更できる契約・できない契約

払済保険への変更はすべての契約で選択できるわけではありません。以下が払済へ変更できない契約です。

・解約返戻金の無いもの

・加入後、経過期間が浅く、解約返戻金が少ないもの

・体況などにより特別条件が付加されているもの

なお、払済保険に変更できるのは主契約だけで、切り替えた時点で特約はすべて消滅してしまいますので注意が必要です。

払済したあとに元に戻すことができるのか?

払済保険への変更後に資金繰りが改善した場合などに元の状態へ戻すことを復旧といいます。
復旧に際しては、診査または告知と復旧部分の積立金の不足額の払い込みが必要で、生命保険会社によっては所定の利息(複利)の払い込みも必要となります。復旧できる期間は払済から3年以内など、一定の期間内でのみ可能となっています。

払済保険のメリット

払済にすると以後の保険料支払がなくなるため、救済措置という位置づけでもありますが、法人保険において払済は使い勝手のよい契約変更となっています。一般的に解約をすると解約返戻金が出てきてしまいます。その場合、益金として計上せざるを得ない部分が発生してしまいます。その点、払済であれば一旦保険を寝かすことができます。解約返戻金も出てくることはなく、今後お好きなタイミングで解約または減額して取り崩していただくことができますので払済保険への変更の可否はぜひご確認いただきたい部分です。

 

注意していただきたいポイント

払済は、もしもの際の契約変更として使い勝手がよいと思います。ただし、特別条件付きの契約の場合、払済への変更ができないことは意外と知られていませんので注意が必要です。

特別条件とは?

被保険者の健康状態や過去の病歴などに応じて契約に付加される条件のことをいいます。特別条件が付加された契約を特別条件付契約といいます。

主な内容としては…

・特別保険料
通常の保険料に上乗せして保険料をお預かりするという条件です。つまり保険料の割増です。保険会社毎に条件も異なり、さらに特別保険料の幅も被保険者の状況により異なります。割増保険料は月々数千円から多いもので通常掛け金の3倍近く上乗せされる場合もあります。

・削減期間
ある一定の期間のみ保険金額を削減するという条件です。他の加入者に比べて死亡リスク等が大きいと保険会社が判断した時、万一時に支払う保険金を削減して他の加入者との公平性を保つようにするものです。例えば、3,000万円の死亡保険に申込みされた際、削減期間中の保険金は2,500万円になるような条件です。削減される期間は加入から数年の場合が多く、告知した過去の手術歴等に関するリスクが年々低くなっていくような場合、削減となるケースがあります。

・部位不担保
医療保険に付加されることの多い条件です。過去の手術歴や通院歴等から、特定の体の部位を原因とする入院や手術に関しては一定期間保障の対象外とするものです。例えば、出産が近い女性や帝王切開などで出産したのち、間もないような場合、子宮関係が部位不担保になることなどが挙げられます。なお、不担保となる部位は1カ所とは限りません。不担保期間は短いもので1~2年、長いもので4~5年ほどです。

 

保険契約を申込まれた際に、もし健康上の理由や過去の病歴・手術歴などにより特別条件が付加されてしまった場合、必ず特別条件の内容提示と承諾が必要となります。そのまま保険契約が進むことはありませんのでご安心ください。

生命保険の支払いは一般的に長期間・多額となります。ご加入の前に、必ず今後のキャッシュフローを確認し適正な保険料支払いプランを設計する必要がありますが、もしもの事態に契約変更プランも視野に入れておくことは重要ではないでしょうか。

 

特別条件付契約でも払済保険に変更できる保険会社もある

保険会社の中には、特別条件が付加されているにも関わらず、払済保険に変更ができる保険会社も存在します。生命保険はご加入時よりも契約期間中・出口への準備対策がとても重要です。そのような観点から保険選びをされることが失敗しない保険契約へとつながると思います。

 

もし保険会社に迷われることがあったり、特別条件が付いてしまった場合、健康上に何らかのご不安を抱えておられる方など、ぜひお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

保険商品の良し悪しだけでなく、保険契約のシステムや契約変更まで熟知をしている担当者にご相談されることをオススメいたします。