生命保険の契約変更テクニック 1「払済」について

生命保険の契約変更テクニック 1「払済」について

皆さま、日頃より保険マエストロのブログをご覧いただきありがとうございます!
今回は、生命保険の契約変更テクニック1と題し、「払済」について書きたいと思います。

なお、この記事はYouTube動画と連動しております。
ページ下部にリンクを貼っておきますので、合わせてご視聴ください。

払済の使い方

払済は生命保険を活用する上で、保険業界では一般的な契約変更の手続きなのですが、ご存知でない方が大半だと思います。

ご存じないままだと、せっかく積立ていたはずの解約返戻金が無駄になったり、資産形成が目的であれば、その利回りをあげられるチャンスを逃したりのデメリットが発生します。

では、払済はどのような時に使うのかについてお伝えします。

個人の場合、ご自身のライフスタイルが変わって、保険料が負担となるケースです。「保険料を抑えたい、支払いを止めたい」という時に払済にします。

法人であれば、今期の売り上げが落ち込んでしまい、支払いが厳しいという状況になります。

払済とは

「払済」とは生命保険の専門用語になるのですが、「払いを済ます」と書きますので、現在支払っている保険料を止めるという手続きとなります。

「解約」と混同しないようお気をつけください。
解約は、契約自体の解除となりますが、払済は保険の契約は残したまま支払いを止めることができます。

払済は、基本的に貯蓄タイプ、つまり解約返戻金のある契約について可能な契約変更手続きとなります。

払済のメリット

ここで、払済にすることでどのようなメリットがあるかをお伝えします。

考えられるメリットは3つです。

1.保険料の支払いを止められる
保険料の支払いが負担になった場合の処理として有効です。
2.保障を残すことができる
解約すると保障に関しては無くなりますが、払済であれば保障を残すことができます。(保険金額は下がります)
3.解約返戻金の率を上げる
保険の種類にもよりますが、払済をすることで解約返戻率が上がるケースがあります。

払済の注意点

ただ、払済にする際には注意していただきたいことがあります。

1払済をすると元に戻すことができない 

ただ、「復旧」という方法で払済を戻すこともできますが、最近の保険契約は復旧ができないことも多いので、払済の際には復旧はできないという前提で行うと良いかと思います。

復旧できるかどうかは約款に記載されておりますので、気になる方は確認してみてください。

保障は継続されるが、保険金は減額される

どれくらいの減額となるかは、契約ごとの解約返戻金の額によって変わってきます。
ですから、払済するかしないかはその保険金の減額幅も見ながら決められると良いかと思います。

特に、加入されてからあまり期間が経っていない契約の場合には、解約返戻金がほとんど立ち上がっていないため、払済ができなかったりして、効果がない場合もありますので注意しましょう。

法人契約の場合に関してですが、払済をする際に、「洗い替え」という経理処理が必要になってくる場合があります。

洗い替えとは、長期間繰り延べてきたこれでの利益を、益金として処理しなければいけないことです。
つまりは、雑収入となりますので、出口の対策がないと単純に益金として出てきてしまうことになります。

4.特別条件付きの契約の場合には払済ができない

保険契約の中には、健康状態により「特別条件」という条件が付いている契約もあります。例えば、持病があって保険料が上がったり、保険金の支払い期間について数年間の削減期間が決められていたりします。

そのような場合には、払済の手続きを行うことができません。(一部、特別条件付きでも払済が可能な保険会社もあります)

5.特約については消滅する

払済保険に変更すると、保険金額は下がるが残せるとお伝えしましたが、特約部分に関しては主契約に付随する形となるため、主契約を払済にした場合には、特約は消滅してしまいます。

まとめ

払済を上手く使うことができれば、保険契約を無駄にせずに残すことが可能です。生命保険は中長期の期間保険料を払い続けなければいけません。保険を加入する際には将来のキャッシュフローも想定した上で保険料も決める必要がありますが、状況が変わることももちろんあります。

そのような時に、払済という選択肢を選べるかもしれない。ということを念頭に置いていただければ幸いです。

詳細については、ご加入の保険会社カスタマーセンターもしくは担当者へご確認ください。

ご不明な点、保険のご相談は以下よりお問合せください。

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