軽減されるデメリット!生命保険での積立投資のススメ

 生命保険で行う積立投資は、一般的に変額保険と呼ばれます。

 これは、皆さんが払い込んだ保険料を保険会社が株式や債券などを中心に資産運用し、その運用実績によって将来受け取れる年金額・死亡給付金額・解約返戻金が多くなったり少なくなったりと変動する保険です。

 変額保険には、大きく分けて「終身型」「有期(養老)型」「年金型」の3種類があります。

  • 終身型

 終身保険ですので、保障が一生涯続きます。保険期間中の運用実績により、保険金と解約返戻金が増減します。運用実績によっては、解約返戻金は払い込んだ保険料を下回り、元本割れの可能性があります。

 ただし、保険金に関しては、設定した金額が基本保険金として最低保証されます。例えば500万円の保険に入っていれば、死亡した時にどんなに運用実績が悪かったとしても500万円の死亡保険金が受け取れるのです。反対に運用実績が良ければ、この500万円の基本保険金額にプラスして変動保険金額も加算されます。

  • 有期(養老)型

 保険期間が一定で、保険期間中に死亡した場合には死亡保険金が、満期まで生存していた場合には満期保険金がもらえます。死亡保険金・満期保険金・解約返戻金の額が運用実績により変動します。満期保険金・解約返戻金は、保険期間満了時の運用実績によっては払込保険料を下回り、元本割れの可能性があります。

 保険期間中に死亡してしまった場合には、設定した死亡保障額(基本保険金)が最低保証されています。例えば500万円の保険に加入していれば、終身保険の時と同じく、死亡した時にどんなに運用成績が悪かったとしても、500万円の保険金がもらえます。

 しかし、死亡せず満期が来たときに受け取る満期保険金には最低保障はありませんので、元本割れのリスクがあります。ここが終身型と違うところです。

  • 年金型

 保険料払込期間終了後、契約時に定めた期間にわたり年金(基本年金額+変動年金額)を受け取ることができます。払込期間中の運用実績により、年金原資が増減します。運用実績が悪ければ、年金額が減って元本割れする可能性があります(※最低保証により元本が保証される商品もあります)。また、同じく運用実績によっては解約返戻金も減ってしまいます。

 年金型の場合、基本的に保険機能はついておらず、もし保険期間中に死亡してしまった場合には、その時の解約返戻金相当額が死亡保険金として支払われます。

 このように、元本割れのリスクがある・長期間の運用が必要であるなど、積立投資の原理はすべての金融商品において同じです。では、変額保険を選ぶことに、どのようなメリットがあるのでしょうか?

変額保険のメリット1.保険の機能がある

 再三ですが、大前提が生命保険ですので、保険の機能が付いていということです。この保険機能に関しては元本割れの心配がありません。積極的な資産運用をしながら、万が一の事態に並行して備えることもできます。これが証券会社を通して投資をする場合と根本的に違う点であり、大きなメリットです。

変額保険のメリット2.生命保険には、税金の特別控除枠がある

 積立投資のデメリットで触れた通り、積立投資で得た運用益は課税対象となっており、2019年現在、20.315%の税金がかかります。運用益が出るたびに課税されるのです。しかし変額保険の場合、ここが大きく変わってきます。まず、運用益が出たタイミングで課税されることはなく、運用期間中は非課税となります。
 さらに、受け取った解約返戻金や満期保険金には、さらに特別控除枠が用意されています。一括で受け取ったお金は「一時所得」となります(年金形式で受け取るものを除きます)。ここでいう所得とは支払保険料総額より増えた部分です。減額などで少しづつ資産を取り崩す内は課税されません。

 一時所得には、年間50万円の特別控除枠が用意されています。つまり、50万円までの利益は非課税ということになります。

 さらに、下記計算式にのっとり、50万円の特別控除を受けた後、さらに1/2した金額が課税対象となります。これは、かなり大きなメリットといえます。

(満期保険金-払込保険料-特別控除50万円)×1/2=課税所得

 また、変額保険の中には、運用している最中に利益が出た場合にその運用益だけを引き出すことができる商品もあります。この場合でもこちらにも50万円の特別控除枠が適用されます。

課税対象金額=(受け取った運用益-支払った保険料̠-特別控除50万円)×1/2

 つまり、運用益が年間50万円以下の場合は非課税となるのです。

証券会社で運用する時と、税金面でかなり大きな違いがあることが分かります。

 ただし、同じ変額保険でも、年金型のように一定期間に分けて受け取る場合には保険金を雑所得として計上することになり、その際は課税の対象になりますので注意が必要です。

変額保険のメリット3.法人の場合、損金計上できる

 法人で生命保険での積立投資をするなら、さらなる税効果を期待できます。2章で取り上げたように、月々の払込金を損金計上できるのです。

 2章でも触れた通り、この損金計上についてあくまで「課税の繰り延べ」です。しかし、例えば解約のタイミングで会社が赤字になっていれば、解約返戻金をその赤字の補填に利用することができます。このようなさまざまな出口戦略を高い運用率の中でできることが、生命保険の積立投資の大きな魅力です。

 もちろん、メリットばかりではありません。ここからは生命保険の積立投資のデメリットをお伝えします。

変額保険のデメリット 保険である分、大きな利益は生まれにくい

 大きなメリットである保険としての機能。保険会社はこれを維持するために、保険料の中から将来保険金として支払う純保険料を確保する必要があります。そこで、保険会社は払い込まれた保険料を、運用に回す分と保険金として積み立てる分に分けることは既にお話ししました。

 例えば月々1万円を積立てると、そのうち5,000円を運用に回し、残りの5,000円は保険金の積み立てに回します。証券会社で運用する場合は払い込んだ金額のほぼ全額を投資に回しますので(手数料を除く)、その分利益も出やすいと言えます。しかし、生命保険では付加保険料部分が差し引かれた金額での運用になりますので、純粋に投資にかける金額は同じ支払額でも変わってきます。

保険のメリットでもあった部分がデメリットでもあるということです。

 つまり、生命保険の中では投機率が高い商品ではあるものの、あくまで万が一の時に備えた保険商品であり、ハイリスク・ハイリターンを狙っていきたいような人には向かない商品なのです。

 変額保険が出回っていない理由

 保険機能も確保され、預金より高い利益を狙うことができる変額保険。比較的魅力的な商品であるにもかかわらず、ちまたにはあまり出回っていないのが現実です。一体なぜ、知名度が高くないのでしょうか?

 まず、取り扱っている保険代理店や営業マンが少ないという点が挙げられます。この商品を取り扱うためには、保険の知識以外に、投資や税務について、金融に関する総合的な理解を深める必要があり、取り扱う側の人材育成が追いついていないという現状があります。

 さらに、この手の保険商品は、代理店にとって比較的利益が少ないものです。頑張って顧客を獲得しても、保険会社からの手数料の割合が低い商品が多いのです。取り扱う手間はかかるのに利益が少ないということで、すすめる営業マンとそうでない営業マンに分かれやすい商品です。

 逆に考えると、このような商品に詳しい代理店や営業マンは保険・金融・税務に深い知識があるということになりますので、一緒に資産を築いていくパートナーとして信頼できる可能性が高いとも言えます。もちろん、株式会社プラスでも取り扱っております。お気軽にお問い合わせください。

「リスク」の本来の意味を知り、積極的な資産運用を!

 変額保険は、繰り返しになりますが元本割れの可能性がある商品です。そんな「リスク」は怖くて負えない……と考える方もいらっしゃるでしょう。

 しかし、前述の通り、日本は今、大変な低金利の状況が続いています。銀行に預金していても、すずめの涙ほどの利子しか付きません。その上、そのすずめの涙にすら20.315%の税金がかかるのです。こう考えると、銀行の預金以外にも資産を分散し、多少のリスクを取ってでも積極的に増やしていく方法を探す必要があるのではないでしょうか。

 ところが日本では、一般的に「リスク=危険」と考えられてしまっています。確かに明らかに危険とされる道を進みたい人はいないでしょう。しかし、あなたは「リスク」という単語の本来の意味をご存知でしょうか?
 少し古い資料ですが、経済産業省の「平成11年度 年次経済報告〜経済再生への挑戦〜」には、リスクについて以下のように記述されています。

 “バブル時にリスク管理に失敗したことは事実であるが, 現在は逆に過度にリスクを回避し, これが経済を萎縮させている可能性がある。
 ちなみに「risk」という語は,「risicare」に由来しているといわれている。
「risicare」は,「勇気を持って試みる」という意味を持っている。この観点からすると「リスク」とは本来的には,不確実性,危険性のみを指すのではなく,「不確実性を認識し,その対処法を決定し, 勇気を持って試みること」という意味をも含んでいる。”

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je99/wp-je99-00300.html

 まさにこの低金利時代、財産を増やすさまざまな手段を、勇気を持って試みる必要性が高まっています。ご自身の、そして会社の未来予想図を描きながら、積極的な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

>>5章 あなたの「困った!」われわれが解決します!