女性の管理職って実際どうなの?

女性管理職

 

2018年に日本経済新聞が公開した「働く女性2000人意識調査」で、「管理職になりたい」と答えた女性は全体の2割程度にとどまっています。

8割の女性は「管理職になりたい」とは回答しなかったわけですが、これは、女性の多くは企業内では男性ほどチャレンジ精神に溢れているわけではなく、「残業が増える」「会議が増える」「有休がとりづらい」といった物理的な理由や、「自信がない」「興味がない」といった心理的な理由により管理職になるメリットを感じられないのです。しかし、管理職になった女性の7割が「管理職になってよかった」と回答しているアンケート結果もあるのです。近年の「女性活躍推進」により多くの企業が女性管理職を増やすことに奔走していますので、年々管理職に就く女性は増加していくでしょう。

そこで、私自身前職でマネージャーを勤めた経験があり、「管理職になってよかった」と思っている一人でもありますので、管理職になって学んだことを紹介させていただきます。
とは言え、前職はエステ業界で、本社には男性社員の方もいましたが、現場は女性のみでしたので少し偏った見方になるかもしれませんが、少しでも参考になりましたら幸いです。また、弊社Facebookページへ「いいね!」も頂けましたら幸いです。

人のマネジメント

私がマネージャーになる前はカウンセラーを3年、店長を1年しておりました。カウンセラーは自分自身、店長は自分の店舗といったように管理する対象が一つでした。
また、自分が一番動いて部下を引っ張らないといけないという意識があったため、自分がやった方が早いと思うことはすべて自分でやっていました。マネージャーになった当初、この意識を改善することにかなり時間がかかりました。
「なんでも自分でやってしまうこと」「仕事を手放せないこと」は管理職になったときに起こりやすいと思います。

①思い切って任せる

女性が管理職になってすぐに直面する悩みとして
・任せる仕事がない
・なかなか安心して任せられない
といった悩みがあるそうです。私自身も、どうしても自分が仕事をしていないような気分になってしまい、なかなか仕事を渡すことができませんでした。
しかし、この考えを変えなければ、管理職として任されている仕事にシフトできず、必要以上の仕事を抱え込んでしまいます。
その場合は次のように意識を変えてみました。
・相手は失敗するもの
・失敗したらフォローしよう
初めて任せられた仕事を完璧にこなせる人はごくわずかでしょうし、自分自身も何度も失敗を経験しながら良い方法を編み出してきました。
失敗しないことを期待するのではなく、失敗したときのフォローの準備をしておいた方が、お互いにストレスなく業務をこなせます。
それに伴い、自分の仕事をコントロールできるようになり、直接的な業務時間を削減し、仕事のペースをつかめるようになります。

②叱ることから逃げない

人は基本的に叱られることも、叱ることも嫌なものです。
管理職に求められることは「部下を成長させること」です。そう考えたときに嫌われることを恐れる感情は自分本位です。
人間関係の悪化や、モチベーションの低下を懸念して、相手の改善すべき行動をスルーしてしまうこともあるでしょう。
私自身、①でも述べたように、自分が一番動いて部下を引っ張らないといけないという意識と、出来るだけ厳しくしたくないという甘い考えから私が行動で示すことでお手本になり改善していくだろうと思っていた時期もありました。
誰かを指導する立場になれば、相手の成長のためにミスを注意したり、モチベーションを上げるために厳しい言葉をかけることも仕事の一つです。逆に部下を叱れない上司のもとでは、部下が仕事を怠けたり、いつまでたっても成長できないというリスクがあります。

「叱る」から「フィードバックする」に切り替える
相手の成長のために、
・事実を伝える
・こちらにはこうみえている
と伝える「フィードバックをする」ことで、「叱る」というネガティブな感情を切り替えられるのです。
そう考えると叱る行動に対するハードルが下がるでしょう。

③部下のモチベーションを上げる

管理職には気配りと同時に周りをよく見る視野の広さも必要です。私自身、上司が自分の仕事ぶりを見てくれていると感じたときはやる気がでたことを覚えています。
「あなたの仕事ぶりはきちんと見ているよ」「あなたの仕事ぶりはきちんと評価しているよ」というメッセージを伝えることはとても有効な手段です。
女性は気配りが上手な方も多いので、部下が何か失敗したり、うまくいかなかたっときに気遣いやフォローでやる気を育てるという方法も良いと思います。
モチベーションを上げれれば、仕事の効率や質が上がることにつながります。そのためには、一人一人の能力や役割を把握しておくことが必要不可欠です。

チームマネジメント

①決断と責任

上記の3つは部下のマネジメントに関してでしたが、それとは別に重要な局面で大きな決断を下すことも管理職の仕事の一つです。
決断が下せない、決断があいまいで遅い上司は部下からも信頼されません。これまでの経験と知識を活かし、部下に適切に仕事を割り当てる決断をすることが大切です。
また、果たすべき責任の量が一気に増えます。部下が失敗をした場合に責任を取るというのも上司の重大な責務ですよね。
お客様とトラブルになっってしまったり、取引先ともめてしまったときに盾になってくれる上司は部下にとっても頼りになる存在ですし、今後はこのようなことがないようにしようという意識付けにも繋がります。
頼りになる上司になることで、悪い報告でも早くしてもらえるようになりますし、こちらも身動きがとりやすくなります。
本来はどんな仕事であっても責任は伴うものですが、特に自分が果たしたい責任であれば、どんなに負担に思えることでも頑張れたりするものです。
重要な場面で決断を下すこと、部下のしたことに責任を取ること、この2つは実は部下との信頼関係の強化に大きく繋がります。
それだけでなく、現場の動きをコントロールしやすくなります。

②板挟みになる

「本部が決めた方針をいかに現場に落とし込むか」は、管理職の使命といってもいいかもしれません。
私自身、この問題に一番ストレスを感じていたように思います。
無茶な方針でも現場は実行しなくてはいけないですし、実行した成果によって現場は評価されます。
部下は本部から直接評価を受ける機会が少ないので、結果を出すことで部下の頑張りを伝えなければならないのです。

まとめ

管理職になって孤独を感じたこともありました。部下とは適切な距離感が必要ですし、適度な緊張感を持ち続けなければなりません。
これまでの内容ですと、本当になってよかったと思ったのだろかと思われたかもしれませんが、今までとは違った業務・視点で物事を進める経験ができたこと、なにより信頼関係のある部下と共に目標を達成できたときの喜びは、はかりしれないものがありました。

女性管理職として活躍できるのはとても誇りに思えるものだと思います。

もちろん、管理職にはなりたくないという方も多くいらっしゃると思いますが、これまで知らなかったことを知ることができ、経験したことは仕事だけでなく、生活の中でも活かすことができます。そして自分自身を助ける力にもなります。もし昇進のチャンスが来たときは「女性管理職を増やしたい!」という会社の為ではなく、自身のキャリアと人生のために受けてみてはいかがでしょうか。